リリック・ラック
仲良しの友達は沢山居るけど、あたしの中で沙綾は特別。
守ってあげたくもなるし、甘えたくもなる。
大切な友達。
「柚、どうしたの? ぼんやりして」
声をかけられてハッとした。
あたしは沙綾と一緒に中庭でお弁当を食べている所だ。
心配そうに見る沙綾にあたしは笑顔を向ける。
「何でもないよ。ちょっとトリップしちゃった」
そう言って照れたように笑って見せると、沙綾はホッとしたように頬を緩めた。
続けてあたしはお弁当のタコさんウィンナーを口に運びながら、沙綾に話しかける。