リリック・ラック

帰りはあたしと沙綾とワカメは同じ方向だけど、麗ちゃんは逆方面だからそこでバイバイ。

沙綾は家から迎えが来て、それを見送ってあたしとワカメは帰路についた。


「あー! 楽しかった!」


あたしがぐっと伸びをしながら言うと、ワカメも頷いた。


「このメンツ、結構合ってんじゃね?」

「あたしも思った。沙綾も麗ちゃんも楽しそうだったし」


沙綾の名前を出すと、ワカメはにんまりと笑った。


「沙綾ちゃん、マジ良い子だわ」

「そんなの、あたしは何年も前から知ってたもんね」


わざと自慢げな顔で言ってみる。

大好きな沙綾が褒められることは、やっぱり嬉しい。

って言うかワカメのやつ、いつの間にか名前で呼んでるし。
< 29 / 142 >

この作品をシェア

pagetop