リリック・ラック
帰りはあたしと沙綾とワカメは同じ方向だけど、麗ちゃんは逆方面だからそこでバイバイ。
沙綾は家から迎えが来て、それを見送ってあたしとワカメは帰路についた。
「あー! 楽しかった!」
あたしがぐっと伸びをしながら言うと、ワカメも頷いた。
「このメンツ、結構合ってんじゃね?」
「あたしも思った。沙綾も麗ちゃんも楽しそうだったし」
沙綾の名前を出すと、ワカメはにんまりと笑った。
「沙綾ちゃん、マジ良い子だわ」
「そんなの、あたしは何年も前から知ってたもんね」
わざと自慢げな顔で言ってみる。
大好きな沙綾が褒められることは、やっぱり嬉しい。
って言うかワカメのやつ、いつの間にか名前で呼んでるし。