リリック・ラック
あたしはバアンと教卓を叩いた。
恵を初め、教室がしんと静まる。
「分かったから。あたしが一枠引き受けるから、あんたも一つやりなさいよ」
「だから、俺は嫌だって」
「あたしが折れてんだからあんたも折れろ、馬鹿!」
あたし達の口論が再燃しそうになったその時。
しなやかな白い腕がスッと上がった。
「あの……私、学級委員やります」
控えめながらそう立候補してくれたのは沙綾だった。
「沙綾! 良いの!?」
さすがあたしの親友!
今は沙綾が天使に見える。
ううん、沙綾はいつだって天使なんだけど。