リリック・ラック
「あんたこそ誰? ワカメって何?」
くりくりの大きな目のついたお顔は超キュートなのに、口は少し悪そうだ。
「あたしは犬飼柚。ワカメってのはこいつのあだ名だよ。同じ中学だったの」
あたしはにっこりと全開の笑顔を向け、恵の方を指差した。
「何でワカメ? あ、髪型がワカメっぽいから?」
平然とした顔で銀色ヘアー君がそう言うから、あたしは吹き出さずに居られなかった。
「澤村、てめぇ」
「ぶふー! そうだね、それもあるんだけど。単に名前をもじってるんだよ」
説明しながらもあたしは笑いが止まらない。
「ワカサメグミ? あぁ、なるほど」
納得したように銀色ヘアー君は微笑んだ。