リリック・ラック

お昼休みには麗ちゃんともやっと合流した。


「あ、ちょんまげ」


前髪をぴょこんと上に纏めたあたしの髪を、ちょんちょんと触る麗ちゃん。

麗ちゃんも前髪が長め。
午後にはリレーがあるけど、邪魔じゃないのかな。


「麗ちゃんもやってあげよっか?」


すると麗ちゃんはにっこりと笑って首を振る。


「勘弁しろよ。俺がそんなアホみたいな頭できるわけないだろ」


キラキラの笑顔で吐き出す最上級の毒舌。

アホみたいだと?
かっちーん。


「麗ちゃん、覚悟!」

「はぁ? うわっ」


あたしは麗ちゃんに飛び掛かり、暴れる麗ちゃんの前髪を無理矢理にちょんまげにしてやった。

恵はげらげらと笑い、沙綾は「仲良しね」とニコニコして見ていた。
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