リリック・ラック
何、下らないこと言ってるんだろ。
馬鹿じゃん。
だけど何か喋っていないと、今は堪えられない。
何故って。
そんなこと、分からないけど。
「あー今日楽しかったなぁー。でも騒ぎ足らないや。カラオケでも行く?」
「行かねえ」
「だよねー。あはは」
馬鹿みたいに、あたしは笑う。
馬鹿みたいに笑うあたしを、麗ちゃんは冷たく見つめた。
「ポチ、どうしたんだよ」
冷ややかな瞳とは裏腹に、優しい麗ちゃんの声。
「なんか、変」
あたしはギクリとしたけど、努めて明るく笑い返す。
「そんなことないよ」