リリック・ラック
銀色の髪の間に見える鋭い視線から、目を背けそうになった直後。
「どした?」
ふわりと眼差しを緩めて、麗ちゃんが聞いた。
あたしは何故だか泣きそうになりながら、一つ息を吐く。
「なんだか二人が、知らない人みたいだった」
「若狭と沙綾?」
あたしは頷く。
「お互いだけが特別で。あたし達は、割り込めないような気がした」
あたし達は。
あたし達四人は、四人揃っているのがベストだと思っていた。
だけど恵と沙綾は、もっとベストな形を見つけてしまったみたいに見えて。
あたしなんか、もう、要らないみたいに。
ぽん、と頭に何かが乗った。