リリック・ラック
沙綾はとても裕福なお家の一人娘。

沙綾のご両親はそれはもう沙綾を可愛がっている。

そんな沙綾は小さい頃から欲しいものは大抵買い与えられていた。

オモチャや、洋服、靴、可愛らしいインテリアなどなど。

あたしがどんなにおねだりしても買って貰えないものも、沙綾は簡単に手に入れていた。


当然というか、あたしはそれを羨んで口に出してしまうこともしばしば。


「それあたしも欲しいなー」


そう言うと沙綾は「じゃあ柚にあげるよ」と、簡単に言う。

子供心に遠慮して、それとちょっと悔しい気持ちがあったりして大抵は断る。

だけど本当に欲しくってそのまま貰っちゃうこともあった。
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