リリック・ラック
麗ちゃんと緩い会話を少し続けたところで、教室にチャイムが鳴り渡る。
あぁ、また退屈な時間が始まった。なんて考えながら教室を見渡すあたし。
こっそり耳にイヤホンを忍ばせている麗ちゃん。
背筋をぴんと伸ばした、優等生の代名詞みたいな沙綾。
そしてそのしなやかな背中を見つめる、ワカメ。
あたしはこの時まだ完全には気付いていなかったんだ。
本当にあたしはどうしようもなくワガママなんだってことに。