リリック・ラック

親友を応援できなくなったり。

こんなに胸が痛んで、ざわついたり。

自分のものでもないくせに、誰のものにもなって欲しくなくなったり。

恋をするって、こんな汚い感情が伴うものなの?
みんなこんな気持ちになりながら、恋をしているの?


「ポチ……」


一粒、また一粒と零れていく涙を、麗ちゃんは不器用に拭ってくれる。

だけどあたしはまた涙と共に、ぽとりと言葉を落とした。


「こんなに苦しいなら、恋なんてしたくなかった。こんな気持ち、知りたくなかったよ」


麗ちゃんはわずかに眉を寄せて表情を歪ませた。

そしてあたしを頭をくしゃくしゃと撫でた。
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