重力地獄の決闘

「だぁーっ！ったく、たかが洗濯ぐらいで呼びやがって！」

「まあまあ、押さえて押さえて、マニュアル・モードの時に喚くなって、推進軸ずれますよ」

「だいじょーぶ、俺の腕を信じろよ。にしても、あんなもんにわざわざ呼ぶなってーんだ」

「仕方ないでしょ、洗濯は洗濯でも、あれには専門家の知識と経験がいるし、他の人が代わりにやっても必ず有資格者の確認がなきゃ使えないんだから」

「そりゃ判ってるって、しかし、ほんとに俺達しか候補が居なかったのか？」

「何人か居たらしいけど、時間的に１番早く来られるのは僕たちしか居なかったようですね」

「ったく、ついてねぇや……」

　マックは暇だった駆け出しの頃、遊び半分暇潰し半分で取った衣服洗浄技師資格特Ａ級などやるんじゃなかったと過去の自分を呪った。