明日は晴れますか?




土屋君と2人、夜の道を歩く。

好きな人とかとなら、ロマンチックだったのにな・・・なんて考えながら、少しずつ椿への悩みを忘れようとしていた。

「土屋君は、不安じゃなかったの?」

「何が」

「今日、転校してきたばっかりなのに、あんなあっさりした挨拶とかさ・・・」

「別に。俺そういう性格だから。」

「クールなんだ・・・。」

「ま、かっこよく言えばそんな感じ」


口数が少なく、必要以上の事は喋らない土屋君。

だけど、こうして喋っている内に、今日抱いた「暗い人」という印象が、変わりつつあった。







ウィーン・・・

コンビニに入ると、生ぬるい暖房の風が体を温めてくれた。

「あったかい・・・」

私は思わずそう口に出す。

さっきまで抱えていた悩みが、溶けてしまうかのような暖かさ。

それは、土屋君と一緒にいるから・・・なのかな。


と、少しロマンチックなことを考えていると、土屋君はさっさとコンビニの奥へ消えていった。


・・・と思ったら30秒後には買い物を済ませて戻ってきた。

早ぇ・・・


「土屋君、もう買うもの買ったの?」

「うん」

「じゃあとりあえず・・・コンビニでよっか。私制服のままだから危険だしさ」

「あ、そっか。とりあえず人が少ないとこまで逃げよう」

「逃げるって・・・」







そして私と土屋君は、さっき私がいた暗い小道の端っこに戻った。
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