明日は晴れますか?




「ここなら制服でいても危険じゃないね。暗いし、人通らないし。」

「あぁ」

「土屋君、何買ったの?」

「お菓子と飲み物・・・」

「ふぅん・・・」

「あの・・・」

「ん?」


土屋君が、クールを装いながら妙にせかせかしていた。

どうしたんだろう・・・?


「どうしたの土屋君?」

「こ・・・これ、池田に・・・ほらよ」

「え・・・」


土屋君は、分かりやすく顔を赤くして私にあったかい缶コーヒーを渡してくれた。


「土屋君、これ・・・」

「池田寒がってたから。それ飲めば。」

「・・・・・・あ、ありがとう・・・」



なんだなんだこの感じ。

「いい感じ」・・・ってこういうのを言うの?!


とりあえず私は、土屋君に貰った缶コーヒーを一口飲む。


「暖まる・・・!ありがと★」

「別に」

と土屋君は私から目を逸らし、買ってきたもう1つのコーヒーを飲んでいた。




・・・わかった。

土屋君は、「暗い人」でも「クールな人」でもない。

きっと、「不器用な人」なんだ。


気持ちを上手く表現出来なくて

暗い、冷たい人に見えるけど本当はすごく優しい人。




土屋君の優しさに打ち解けた私は、思った。


彼になら、言ってもいいんじゃないかって。

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