明日は晴れますか?
「・・・ごめんね、こんな話・・・まだ知り合ったばかりの土屋君にしちゃって・・・。でも・・・聞いてくれてありがとう。聞いてもらえただけで、少し楽になったよ・・・!じゃぁ・・・もう暗いから私・・・帰るね!!」
自分の弱いところを見られた恥ずかしさで、私は逃げるように土屋君から離れようとした。
「待てよ」
でも、期待通りに、土屋君は、私の事を、呼び止めてくれたんだ・・・。
「・・・」
もう、私の顔は涙でぐしゃぐしゃだった。
こんな泣き顔、土屋君に見られたくない。
今日であったばかりの、生意気でクールで、苦手だったハズのヤツ。
話をすることさえ、拒んでいた。
そんなヤツに、ここまで、自分の全てをさらけ出した。
・・・どうして。
どうして、彼にはこんなに素直になれてしまうの。
ずっと一緒にいて、信じきってるはずの椿には言えなかったことが
こんなにすらすらと言えてしまう。
・・・どうして・・・。
「池田、ほんとに、死ぬのか」
「・・・うん・・・」
「・・・俺に、出来ること・・・ないか?」
「え・・・?」
「お前が、最期が来るまでに、やりたいこととか。力になれることは、俺が助けてやる・・・から・・・」
照れながら、でも真剣にそう言ってくれる土屋君。
すごく、頼もしく感じた。
「・・・私・・・何もやりたくないよ。この世に未練なんて残したくないから。誰にも必要とされず、誰も必要としないまま、死にたいから・・・。」
ほんとは、そんなの嫌だった。
だれかに必要として欲しかった。
私が死ぬ時、誰かに泣いて欲しかった。
「・・・死なせないからな。」
「えっ・・・」
土屋君が、小さな声で、でもハッキリとした口調でそう言った。
「・・・もう家帰らなきゃ、暗いし危険だな。送る。」
「あ、ありがとう・・・」