明日は晴れますか?
君と私




次の日の朝。

昨日までの大雨が、嘘のようにすっきりした天気だった。


・・・でも、私の心の中は曇ってた。

学校に、行きにくかった。

椿の、真剣なあの顔が頭に浮かぶ。


・・・・・・謝らなくちゃ・・・ダメだよね。


「行ってきます・・・」

「あぁ、行ってらっしゃい」


家を出る。

外は、少し肌寒かった。


「ふぅ・・・学校まで、遠いなあ・・・毎日毎日、登校で疲れちゃうよ・・・」

と、1人つぶやいてみる。

そうすることで、色んな不安を消してしまいたかった。



・・・歩く。

たまに、後輩や先輩にすれ違い、挨拶を交わす。

その度、私の中に生まれる「羨ましい」という気持ち。


みんなは、普通に生活できる、普通の人。

私は、死に怯えながらしか生活できない、不幸な人。



・・・せめて、椿とくらい、笑って生活していたい。

椿には、私が死ぬということを知られたくなかった。

絶対に。

椿とは、最期まで、いつも通りの関係でいたいから。


・・・この気持ちが。この望みが空回りして、すれ違いへと変化したのは

お互いを想っているからなのかな。


・・・そうだったらいいな。




< 21 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop