明日は晴れますか?
「・・・どうした?」
急に制服をつかまれてビックリしてる土屋君は、冷静なままで私を心配してくれた。
「・・・土屋君、とりあえず、ちょっときて・・・」
「お・・・うん・・・」
椿から出来る限り離れようと、私は土屋君をつれて教室から出た。
「・・・どうしたんだよ?」
「・・・昨日、言ったでしょ?椿にひどい態度とったって・・・。だから・・・謝りたいのに、全然勇気が出ないの・・・。助けて・・・。」
「・・・そんなこと言われてもな・・・」
「私、椿とこんな風になっちゃったのは、お互いを思いやってるからだって信じてる・・・。私は、自分の病気のことを椿に絶対言いたくない・・・。この気持ちを、分かって欲しいんだよ・・・椿にも・・・」
「甘えてる」
「え・・・?」
急に土屋君が厳しくそう言った。
・・・甘えてる・・・?
「これはお互いを思いやってのすれ違いかもしれない。でも、池田は、その理由に甘えてる。逃げてる。お前が椿って子に絶対言いたくない気持ちがあるなら、彼女にも絶対聞きたいって気持ちがあるんだよ。」
「・・・土屋君・・・」
土屋君は、言葉を詰まらせることもなく、ただ刻々と私を責める。
・・・違う・・・土屋君だって、私の気持ちなんて理解してくれてない・・・
「土屋君は・・・転校してきたばかりのくせに・・・そんなこと分かるはずないじゃない!」
矛盾してることは重々承知だ。
こんなこと、言っちゃダメなことも分かってる。
なのに・・・どうして言葉が止まらず出てくるの?!
転校してきたばかりの彼に、頼っていたのは私だろう。
「もう土屋君もどっかいって・・・!知らない!」
私がそう叫ぶと、土屋君は表情一つ変えずにその場を去った。
・・・寒い廊下に、ひとりぼっちになった私。
・・・・・・涙しか、もう出てこなかった。