明日は晴れますか?
そして私は
今まであんなに頑固になって
隠し続けた事実を
何も拒むことなく
自然に、椿に話した。
「信じてなんてもらえないだろうけど・・・私は、重い病気で、もういつ死んでもおかしくない状態なの。急に体調が悪くなって当たり前、急に倒れて当たり前。・・・急に死んだって・・・当たり前なの・・・。」
私は、時々言葉を詰まらせて、それでも淡々と事実を告げた。
それを椿は静かに聞いている。
静かな静かな保健室に、私の声だけが響く。
「・・・由美香、死ぬの・・・?」
「そうだよ・・・」
「・・・そっか」
「・・・うん」
「なんで言わなかったの?私になんで教えてくれなかったの?」
「だって、私が死ぬって教えたって、あんたも私も悲しいだけだし・・・」
「・・・そっか」
「・・・うん」
まるで感情を奪われたかのような私たちの会話。
椿は怒ることも泣くこともせず、
ただただ無表情でいる。
怒られると思ってた私は、正直拍子抜けした。
なんだ。
親友が死ぬってなったとき
人間ってこんなもんなんだって。
少し会話が途切れて
沈黙が続く。
それを破ったのは椿だった。
「・・・死ぬんだね、病気なんだ、しょうがないよね・・・!あはは、なんか、無理に聞いちゃってごめんね!!まぁ、・・・ね、いつもどおり過ごそうよ、ね。あの・・・別にさ、死ぬからって気まずくなる必要ないじゃん・・・!!あはは、笑っておきなよ!ほら、由美香、笑って、あはは!・・・あ、私は授業あるからもう教室帰るね!由美香も体調良くなったら教室来てね!あはは・・・じゃ、また後で!」
がらがら・・・
ぱたん。
保健室の扉が閉まり、椿の姿が見えなくなる。
・・・なんだ、あの感じ。
愛想笑いの混じった長々とした言葉。
・・・同情されてるのかな・・・?