通行人B

つーか、一体誰に言ってんだ?
辺りを見回しても自然そのまんまな植え込み?垣根?があるのと、
ソーヤの後ろにやたらでっかい木があるぐらいで人影なんかねぇんだけど。
・・・なんか、この木の上に落ちなくてよかった。と思うのは間違ってないと思う。

「ふっ、姿が見えなくても僕にはわかる!なぜなら、気配が読めるから!!」
ソーヤ、一人でセリフを続けてるけど。
いや、ナニモノだよお前。
一般高校生ではないことを希望する。こいつと同類にはなりたくない。



「・・・なかなかの手練がいるようだな」

突然、がさっと音がして。

イケメンニーチャンが現れた!?

俺の真後ろから。
頭に葉っぱが付いてるから、おそらく木の陰に隠れたんだろうけど。
・・・・・・断じて間抜けだなぁとか、葉っぱ残念とか、これしきで出てくるんかい!?とか思ったりしてないよ。うん。

「貴様ら何者だ」
すっごく鋭い目で、目の前のおにいさんは睨みちゅけてきます。やべ、噛んじまった。
でも、それぐらい怖いんだよ。
なんつーの?殺気?
肌がビリビリするっていうか、息苦しい。
スミマセン土下座していい?

「何者?それはこっちの台詞だね。そもそも、人に自己紹介を請うときは自分からというのが世界一般共通の常識だろう?」
堂々と胸を張って相対するソーヤ。
この空気の中カッコいいっちゃあ、カッコいいんだけど・・・
お前に常識ってあったのか。
ちなみにこれは現実逃避だな。自覚してマス。

「人の領地に無断で侵入している不審者に礼儀など必要ないだろう」
こう、ギンッて目で睨みが強くなったイケメンの年上(暫定。これで年下だったら泣くけど)
ソーヤさん?火に油注いでません?

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