「後ろの正面だぁーれ?」


L:「だから、ボクはいつだってキミの傍にいるんだよ。」

精霊:「うん・・・。」

L:「それじゃ、もう一番星が浮かんでるから・・・。」

精霊:「そうだね・・・。じゃあ・・・。また。」

L:「・・・。さよならは、嫌い。逢えなくなるようだから。」

精霊:「うん。またね。」

L:「またね。」


少年は、また、と言った後でも暫くそこに佇(たたず)んでいました。

気配もそこに在るようです。

見ているようです。


そして、少年の唇に何かが触れたような感触がしました。


とても冷たくて、とても柔らかい何かが。


そして、気配は消えてしまいました。

少年は大きな声で泣きました。泣きながら家路を辿ります。



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