本気になっちゃいけない
美奈子の強引さは 昔から変わらない
そんな強引さにいつも助けられる
昨日だって あんな言い方してたけど 私が1人で誕生日を過ごすことを気にかけてくれてる
「かんぱ~い」
私達はビールグラスをかたむけた
「誕生日おめでとう
良かったね決まって」
「ありがとう でもあんなすぐ決めて私で良かったのかな」
「うちの社長見る目だけはあるから(笑)」
事務所の社長室に入るなり
チャキチャキのおばちゃんに上から下までなめ回すように見られ
「うち休みはないけど働いたら働いただけだすから
担当した子が大きくなるように頑張って そのためには手段問わず (笑)
うちは直ぐにでも来てもらいたいわ」
私は呆気にとられ
「あっはい」しか言えなかった
履歴書を見るわけでもなく
あっという間に採用決定
私の想像してた社長像とはちょっと違っていたので 可笑しかった
やり手と聞いていたけど どっから見てもただの派手なおばちゃん(笑)
「でっいつからくる?当分私についてもらうけど」
「えっと…暇だしね(笑)」
「じゃ 見学がてら明日から来なよ」
なんかトントン拍子に決まって自分でもびっくりしてる
これで大きなぽっかり空いた穴は埋まるのかな…