本気になっちゃいけない

「どーも、はじめまして美奈子から仕事の様子は聞いてるよ」

と出迎えてくれたのは
美奈子と組んでいた黒木 だった

「はじめまして」
と私は軽く頭を下げた

紺のポロシャツにチノパン
肌の色は浅黒く背が高い黒木は
どこから見ても業界人に見える


美奈子はデスクに座り書き物を始めていた


私は黒木にあっちと促され部屋の角にあるソファーへと移動した

「業務連絡諸々 色々あるから各々手短にね」

美奈子に5つ下って聞いていたけど落ち着いている話し方や振る舞いからも仕事出来るんだなとわかった

「これ各種書類 目を通してサインして出して あと急で悪いけど あいつらの休みに合わせて引っ越してもらえるかな
これ鍵、車はマンションの駐車場に入れてあるから、でこれは今日から使って」
とマンションのキーと一緒に車のキーと携帯も渡された

あっという間に説明されたので

「あっ、はい」

しか言葉が出ない


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