本気になっちゃいけない

私が 黒澤と付き合ってる時も周りにばれないようにしてきたし
もっと一緒にいたいと思っても彼の邪魔にはならないようにして できるだけ自分が時間をつくってきた
それが当たり前だと思っていたけど…
実際若い子達には辛いんだろうなと思った

「ごめん なんか愚痴ってるね俺」
私の顔を見て空也は苦笑した

「やっぱり空也は優しい良い子なんだね」
と私が空也の目を見ると

「何だよそれ まるで子供扱いだな」と笑う

そうそう 溺愛する子供扱い そういうとこ何故か愛しいと思うもの(笑)


「そう言う小夜子さんはどうなの? まぁこの仕事に着いたからにはいないんだよね」
とイタズラっぽく聞いてきた

「失礼ね 私にだって半年前までは いましたよ結婚決まってた人が…
でも他に子供が出来て別れてあげました」

「えっ?」
びっくりしている空也の顔が面白い

「同じ病院勤務だったしだから仕事も辞めたの
まさか美奈子に誘われて看護師辞めるとは思ってなかったけど」

私があまりに淡々と喋るものだから 空也も呆気にとられている

でもこの時私は誰かに…うんうん…
空也に聞いて欲しかった



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