本気になっちゃいけない

私達は病院近くのファミレスに 入った

「あのぅお話って?」

「浩司さんと別れて下さい」

「えっ」

やっぱり
何となく感じとったことは 的中だったみたいだ


「それから私妊娠しています
もちろん浩司さんの赤ちゃんです」


彼女は真っ直ぐ私を見ている
いや 睨んでる

「………」

頭の中は真っ白

私が感じとった以上のことだった


そんなのありなの…

もしかしてドッキリか…

本当にドッキリだったら良かった

言葉も出なかった

涙なんてもっと出なかった

彼女は一生懸命
黒澤との付き合いを
私に報告するかのように
並べていたみたいだど

ほとんど覚えていない

彼にはそんな時間があったのかしら…

私が気づかなかっただけか…

あの優しさは嘘だったの…

結婚しようって…


彼女が帰ってからも
私はそこから立ち上がることが出来なかった


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