今日から始める魔王伝
※ ※ ※
「お前マジで俺と同じベッドに寝るの? 」
「当然です!
ユウさんが一緒に寝てやるって言ったんじゃないですか! 」
「確かに言ったけどな……」
なぜ俺がミーナと一緒に寝ることになったかというと少し過去に遡る。
俺達は簡易魔物VS人間代理戦争を行った。
原因はステーキ。
勝敗は言うまでもなく俺がボッコボコにされた。
――無理だから! 勝ち目無いから!
相手は腐っても魔王だぞ!!
でミーナは俺をボッコボコにしたあと『DVです!! 私ユウさんに暴力を振るわれました!! 』と窓の外に向かって大声で叫ぶ。
「暴力を振るわれたのは寧ろ俺だろ!!
それに“家庭内”暴力じゃ無いから! 」
只でさえ地に落ちている俺の信頼が凄い勢いで地面にめり込む様な事を言うミーナを黙らせる為、俺はツッコんだのだ。
するとまたミーナがボロボロと泣き出した。
俺はミーナを泣き止ませる為にあれこれしたのだが泣き止まない。
結局ミーナの『一緒に寝てくれたら泣き止みます』と言う言葉を信じ俺は一緒に寝てやると言ったのだ。
「じゃあ俺は寝るからな。
お休み」
ミーナは魔族で人では有り得ない青みがかった肌だが、それを補って剰る程の美少女なのだ。
俺は変な気に成る前に寝ることにする。
「えっ!? ユウさん!
何もしないんですか!?
初夜なんですよ!? 」
とか言うミーナの叫びは聞かなかった事にした。