今日から始める魔王伝
俺は内装までファンシーに改装されていた。
――壁の色は水色なのか……
俺は目をチカチカさせながら城内を奥に進む。
「ユウさん着きましたよ」
「やっぱり魔王城は広いな」
城内を五分程歩いてやっと王座の間にたどり着いた。
「ここでもう私の部下達が待ってますからね」
「えっ!? いきなり囲まれるのかよ! 」
「はい! ユウさんを皆に紹介する為にわざわざ王座の間にまで来たんですから。
じゃあ私が先に王座の間に入りますから呼ばれたら入って来て下さいね」
そう言い本当に俺を置いて、ミーナは王座の間に入っていった。
――まさか部屋に入ったらリンチとか無いよな?
俺は一応武器が有るか腰に手を置く。
ちゃんと2振りのナイフが差してある。
どちらも俺が勇者のパーティーメンバーの時から使っている愛刀だ。
「ユウさん! 入って来て下さぁ~い」
俺がそんな事をしているとミーナから気の抜けた声でお呼びが掛かる。
「うしっ! 成るようになるか」
俺は王座の間の扉を思いっきり開いた。
俺が扉を開け中に入ると驚きの光景が広がっていた。
壁がピンクなのにはもう驚かない。
耐性が出来てる。
だが流石に目の前の光景は見逃せない。
肺一杯に空気を吸い込み、俺はツッコミと言うなの雄叫びをあげた。
「何でスライムしか居ねぇんだよぉぉぉお―――!? 」
王座の間には俺の雄叫びにビビっり、異常にプルプルしているスライム達によって埋め尽くされていた。