今日から始める魔王伝
※ ※ ※
「もうユウさんスライムさん達を驚かさないでくださいよ」
「いや別に驚かすつもりはなったから」
今王座の間には俺とミーナ、後は全身継ぎ接ぎだらけの少女と真っ赤な髪をポニーテールにしている少女だけが残っている。
実は俺、今ダラダラと冷や汗を流している。
理由は簡単だ。
「なぁミーナ……
さっきから有り得ない位の殺気を出してる赤髪の少女は誰だよ? 」
そう、この赤髪の少女に尋常じゃ無い量の殺気を当てられ続けているからである。
「あっ! 今紹介しますね。
この2人は私の四天王の内の2人ですよ。
ほら2人ともユウさんに自己紹介して下さい」
ミーナに促されるが2人とも動かない。
俺が苦笑いを浮かべていると赤髪の少女が机を叩き立ち上がった。
――おいおい机が壊れてるじゃねぇかよ!?
どんな腕力してんだよ……
「こんな軟弱そうな奴を魔王の配下に加えるなんて私は納得出来ないわっ!? 」
「ユウさんは軟弱じゃ有りません!
誰よりも強いんし優しいんですよ!! 」
「はんっ! 流石に魔王の言う事でもそれは信用出来ないわよ」
ミーナは自分が言った事が信じてもらえずに『むぅ~』とむくれる。
「なら実際にユウさんと闘ってみれば良いじゃないですか!! 」
「分かったわ!
あんた勝負よ!! 」
俺が呆然としているとなんか勝手に話が進んでしまっていた。
「えっ……マジで闘うの? 」
俺は更に冷や汗をダラダラ流した。