KY☆ヒーロー(更新休止中)
「君! 人が話している時によそ見はやめたまえ!」
「あぁ!? やんのか、お前!」
洋介に殴りかかろうと、腕を振り上げる豪。
久朗は思わず顔を逸らし、目を閉じた。
ゴスッ! と、重く鈍い音――
そして……うめき声。
「すまない……もしかしたら、僕はあえて、君の拳を受け入れるべきだったのかもしれない、だけど聞いて欲しい! 暴力は、それを振るう者をも時として傷つける……破壊するだけで、何も生み出さず――」
久朗が恐る恐る目を開けてみると……
床にうずくまり微動だにしない豪。
そして机を、木の部分を前にして、盾のように持ちながら演説を続ける洋介。
「泣いているのか? そうか、分かってくれたか……」
洋介は、ガコッと、机を下ろし、床に散らばった教科書を綺麗に戻していく。
つまり、殴りかかろうとした豪の拳を、頑丈な机でガードしたのだ。