春色恋色
「なぁにしてんの?」
「ひゃぁっ!!!」
唯と話しているとときにいきなり声を掛けられた。
思わず、悲鳴をあげてしまった。
振り返ると、ついさっき話していた。
早河武が笑いながら立っていた。
「ひどいなぁ、悲鳴あげるなんて」
わ、私…話しかけられるようなことしたかな…?
唯をチラッと見ると目をパチクリと開けて、驚いている様子だった。
「あ…あの、私…」
「…ん?」
少し腰を屈めて、目線を合わせてきた。
「え…、あの…」
私が言葉に困っていると、唯が助け舟を出してくれた。
「この子、今日ちょっと風邪気味であんまり声が出ないんだよ~」
私の肩にポンッと手を置いて、笑顔で言う。
唯!!ありがとぉっ!
「なに、お前…風邪なのか?」
聞きなれた声が、早河先生の後ろから聞こえてきた。