春色恋色
「ふ~ん…」
聞こえていたらしく、先生も呟いた。
「お前、下校のときにいっつも暗い顔してるもんなぁ…」
振り返って私の方を向いて優しく笑った。
綺麗な風景だなぁと思って眺めていた。
桜の花びらが風に舞ってとても綺麗だった。
「下校じゃなくても一人で居るときも悲しそうな顔してたよ」
見ててくれたんだと思うと胸が苦しくなった。
見てたのは私だけじゃないんだ…
少しでも私を気にしてくれてたのかな…?
「だけど、俺や友達にはいつも笑顔でさ…」
「…あ、」
私が言うと、ん?という感じでこちらを見た。
「あ、りがと…」
すると先生はフッと笑った。
「なんで?」
私は先生の方へゆっくりと歩いていった。