春色恋色
え!!コレって、手を出すパターンなの??
そう思いながらそぉっと先生の手に自分の手を乗せた。
そして先生は私の手を掴んだまま歩き出した。
どうしよう、どうしよう。
先生と手繋いじゃってるよ!!
話す気配無いし。
と、横でパニックを起こしながらもなんとか校門を出た。
ふと校門を出てしばらく歩いたところで思った。
私の家ってここから大分遠いんですけど…。
「せ、先生…。あの…」
少し後ろから見上げる先生は最高にカッコよかった。
「ん?」
私の方を見ずに返事した。
「家、遠いですよ…?」
「知ってる。だから尚更、送ってく」
その言葉に顔が熱くなった。
「あのさぁ」
いきなり先生が声を掛けてきたから思いっ切りビクッとなってしまった。
「な、何ですか?」
体育館の時みたいに敬語になってしまった。
先生は立ち止まって私と向き合った。
「俺じゃ、頼りないのか?」