春色恋色
「な、何のこと…?」
先生の表情から何かをつかもうとしたけど、まったく解からなかった。
一体、何のことを言ってるんだろ。
「家に帰らない理由。
俺は聞くことしか出来ないかもしれないけど、ちゃんと聞くよ」
先生は私が帰らない理由が気になったたんだね。
そりゃぁ誰だって気になるかもしれないけどさ…。
「た、頼りなくなんかないよ。
話したら先生に迷惑掛けると思うし、
先生の優しさに甘えちゃうから…」
先生はすごくいい先生だから
生徒のことを一緒に真剣に悩む先生だからきっと…、絶対迷惑掛けちゃうんだ。
「さっきも言っただろ?
迷惑掛けていいんだって!
甘えてもいいんだよ。
まぁ、無理に聞き出さないけどな」
そう言った先生の顔が悲しそうだった。
「絶対迷惑掛けるよ?それでもいいの?」
私の言葉に優しく微笑んだ。
私達は近くの公園のベンチに腰を掛けた。
先生はずっと黙って遠くを見ていた。