春色恋色
「私の家族はすごく仲が良かったの。
お兄ちゃんが高2の頃から荒れ始めて、
それが原因でお母さんとお父さんは
毎日喧嘩ばっかりで、家に帰っても
いつも喧嘩してるし…離婚寸前なの…」
私が話すと私の手を握っている先生の手が少し動いた。
顔を見ると少し動揺している様子だった。
「ごめん、やめようか…?」
心配になって聞くと、
小さく笑って大丈夫って言ってくれた。
「それでね、中2の夏に家に帰ったら
お父さんがお母さんを殴ってるところ見ちゃって…」
「しかもその夜。
お兄ちゃんが私の部屋にいきなり入ってきて、
酔った勢いでベットに押し倒されて…。
それからお兄ちゃんが怖い…。
大好きなお兄ちゃんなのに。
お父さん達が喧嘩するのを見るのが辛い。
家族がバラバラになっちゃうよ…。
私、どうすればいいか解かんなくて…」
言い終わった後、私は思いっ切り泣いてしまった。
先生はギュッと私の手を握った。