春色恋色
「い、いきます…」
弱弱しい言葉とともに唯にボールを投げた。
と、思ったのに…また後ろへと飛んでいった。
その様子を見て唯と先生が同時に吹き出した。
「後ろじゃなくて前に飛ばせ」
「私が見えてるの?」
二人は笑いながらこんなことを言った。
「出来ないから練習してるのっ!」
少しムキになって言い返した。
「それは良い事だ。何事も練習第一」
「笑いながら言われても、
説得力が無いんですけど…」
そのころ唯は涙を浮かべながら笑っていた。
この二人、もう嫌だ…。