春色恋色
「ホラ…、話してみろ」
先生の言葉に促されて私は口を開いた。
「喧嘩がまだ続いてる。
やっぱり、戻れないのかな…」
言ったあと、ははっと笑ったつもりだったけど掠れた笑い声しか出なかった。
「大丈夫。戻れるよ」
何の根拠もない言葉だけど先生が言うと信じられる。
他の人がいうと奇麗事にしか聞こえないだろう。
だけど先生だから信じられる。
そんな奇麗事も信じれる人がいるってことは幸せな事だと思った。
「ありがとう…」
その後、他愛もない話で盛り上がった。
高校生同士がするような他愛もない話。
このとき改めて思った。
この人を好きになった良かった…と