春色恋色
中庭はすぐに見つかった。
だってすごく大きな桜の木がたっていたから。
その桜の木に見とれて近づいていくと
いきなり強い風が吹いて目の前を遮った。
風が止んで閉じていた目を開けると、
木の下のベンチにスーツを着た男の人が
こちらを見ながら座っていた。
「新入生さん?」
男の人は立ち上がりながら聞いた。
頷くと微笑んで
「おめでとう」
と言ってくれた。
「俺も今年からこの学校に来たんだ。
一応体育の先生ってことで…」
先生と名乗るこの人は
ポケットに手を入れて私を見た。
そしてポケットの中から
何かを取り出して私の手に乗せた。
それは飴だった。
「あげる。入学祝い」
そしてもうひとつ飴を取り出すと
自分の口の中に入れた。
その顔が先生とは思えない、
子供のような顔だった。
その表情に私は不覚にもキュンッとしてしまった。
「お前…えっと、名前は…?」
少し首を傾げて私を見た。
「琴葉…、犀秋琴葉」
「カッコいい名前。俺は、桜井直人」
そのあとによろしくと言った。
カッコいい名前なんて言われて少し照れた。
「青春時代なんだから
いい高校生活を送りましょう!
わかったか?」
いきなり先生口調に戻ったから笑ってしまった。
「先生の青春は終わったの?」
私の意味の解からない質問にも
ちゃんと答えてくれた。
「俺は一生青春だ」って…。
だってすごく大きな桜の木がたっていたから。
その桜の木に見とれて近づいていくと
いきなり強い風が吹いて目の前を遮った。
風が止んで閉じていた目を開けると、
木の下のベンチにスーツを着た男の人が
こちらを見ながら座っていた。
「新入生さん?」
男の人は立ち上がりながら聞いた。
頷くと微笑んで
「おめでとう」
と言ってくれた。
「俺も今年からこの学校に来たんだ。
一応体育の先生ってことで…」
先生と名乗るこの人は
ポケットに手を入れて私を見た。
そしてポケットの中から
何かを取り出して私の手に乗せた。
それは飴だった。
「あげる。入学祝い」
そしてもうひとつ飴を取り出すと
自分の口の中に入れた。
その顔が先生とは思えない、
子供のような顔だった。
その表情に私は不覚にもキュンッとしてしまった。
「お前…えっと、名前は…?」
少し首を傾げて私を見た。
「琴葉…、犀秋琴葉」
「カッコいい名前。俺は、桜井直人」
そのあとによろしくと言った。
カッコいい名前なんて言われて少し照れた。
「青春時代なんだから
いい高校生活を送りましょう!
わかったか?」
いきなり先生口調に戻ったから笑ってしまった。
「先生の青春は終わったの?」
私の意味の解からない質問にも
ちゃんと答えてくれた。
「俺は一生青春だ」って…。