それでも君を、護りたい。
「まあ、ほかの生徒の前では生徒と教師でいましょうってなったわけだけど」
「いいじゃない。教師と教師生徒の禁断の関係って感じで」
「現実は家が近所の幼なじみなわけだけどね。ていうか、神野先生はどうでもいいのよ」
「俺がなんだって?」
びっくりして後ろを振り向くと、後ろに噂の張本人がいて、驚いた。
噂をすれば影 、ってやつかな……
「神ちゃんどうしたの? 杏樹に用事?」
「まあな。ちょっと私用でな」
「ふ〜ん」
「にやにやしないでよ……大したことじゃないんだから」
莉子の事だから、変に勘ぐってるんだろうな。本当に大したことじゃないのに。
「おじさんとおばさん、急な出張が入っちゃって帰って来れないってよ」
「えっ嘘!?」
大したことだった。
ていうか、明日は私の誕生日なのに!
「そんなぁー…」
一気にテンションががた落ちして、机に突っ伏する。
明日は大事な誕生日だったのに……
大事な……大事な日なのに……
泣きそうになって、顔を隠すように下に俯く。
「だから、今日は俺んちでおまえの誕生日祝うことになったから」