kiss:money
50円玉をポケットにおいてきたはずだった。

でも、勢いよく出したせいで落ちてしまった。


コロコロコロ。。。



50円玉はゆっくりと転がっていった…

母さんはその50円玉を足で止め、拾った。


『何?これ。』

『さっき拾った。』


『そう。』

そう言ってその50円玉を渡して掃除に戻った。


その50円玉を再びポケットにしまった。




握り締めて、存在を確認して。。







“この世で一番…”

かすれた声が聞こえる…。


“この世で一番大切なものは…”


少し低い女の人の声。







気のせいか?









自分の部屋に向かおうとしたとき…


ポケットが光りだしたんだ。




キラーーーーーーーーーーーン


まぶしすぎる光に耐えられずに…

その元は50円玉であった。












< 7 / 18 >

この作品をシェア

pagetop