ひねもす月
1ヶ月、もたなかったな。
勝手に表紙に入れた日付を見れば、3週間前。
一時期よりはペースが落ちてきているものの……この緻密な絵がそんなに速く描けるとは。
賞賛に値する。
「また、上手くなったよね」
何気なく、ペラペラとページをめくった。
庭に咲く花。
知らない土地の、グレーの街並み。
木々を渡る、多くの鳥たち。
所狭しと居並ぶ動物。
「はぁ」
感嘆の吐息が漏れた。
これを見ると、カナタはミナの心を感じられる。
生き生きとした色づかいが、今はミナの唯一の言葉だ。
生きている。
秘めた心が、わかるようで、嬉しくなった。
ペラリ……ペラリ……
なんとなく思い立ち、カナタはその場に腰を下ろした。
どうせミナは気にしないだろう。
せっかくだから、じっくり鑑賞してみるのもいい。
ペラリ……ペラ……
入道雲と、広い砂浜。
夜空に輝く不思議な世界。
「…………?」
指が、止まった。
なんだ?
これ。
画用紙の隅、奇妙なものが気になって。
…………なんなんだろう?
それは、広い、空の水彩画。
不思議に思い、前のページも確かめてみる。
………………?
それは必ず--。
勝手に表紙に入れた日付を見れば、3週間前。
一時期よりはペースが落ちてきているものの……この緻密な絵がそんなに速く描けるとは。
賞賛に値する。
「また、上手くなったよね」
何気なく、ペラペラとページをめくった。
庭に咲く花。
知らない土地の、グレーの街並み。
木々を渡る、多くの鳥たち。
所狭しと居並ぶ動物。
「はぁ」
感嘆の吐息が漏れた。
これを見ると、カナタはミナの心を感じられる。
生き生きとした色づかいが、今はミナの唯一の言葉だ。
生きている。
秘めた心が、わかるようで、嬉しくなった。
ペラリ……ペラリ……
なんとなく思い立ち、カナタはその場に腰を下ろした。
どうせミナは気にしないだろう。
せっかくだから、じっくり鑑賞してみるのもいい。
ペラリ……ペラ……
入道雲と、広い砂浜。
夜空に輝く不思議な世界。
「…………?」
指が、止まった。
なんだ?
これ。
画用紙の隅、奇妙なものが気になって。
…………なんなんだろう?
それは、広い、空の水彩画。
不思議に思い、前のページも確かめてみる。
………………?
それは必ず--。