Second Kiss(連載中)
プロローグ
綺麗な淡い色の
桜の花びらが光を受けて二、三枚ひらひらと舞い散ってゆく。
暖かい日差し、
散り始めていた桜も
今では何枚かの花びらがついているぐらい。
レースカーテンの向こうでの景色。
そして、その桜の花びらがレースカーテンの隙間から部屋の中へと舞い込んできた。
「おら~二人共!ビデオ始まっちまうぞ~~!」
「ち-姉,言葉遣い悪ぅ」
「悪ぅ~」
「うるせっ。
…それにしても、
りんご・夏奈(カナ)お前らいっつも一緒にいるな~
…双子みてぇー!
よしっ!お前ら二人共
私の妹になれ」
「「いやー」」
ハモるようにりんごと
夏奈は二人で言った。
中学2年生とは思えない幼さを持つ二人。
二人はその日、近所では珍しい私立中学に通う
ちー姉こと知佳(チカ)の
家に遊びに来ていた。
「ほれ!前に話した
『ウッチェロ』のレースビデオ持って来たぞ」
二人のちびっこは首を
かしげた。
「…お前ら忘れたな?」
突然思いだし二人が
慌てて首を横に振る。
そんな様子をまじまじと見て、知佳は満足したように「よしっ」と言いながら頷いた。