Second Kiss(連載中)
「二人が“見た~い!”って騒ぐから約束守って
撮ってきたのに忘れられちゃかなわねーよ。
いくら友達の応援ついでといっても男子の競技を撮るの結構恥ずかしかったんだからなぁー」
そんなことをブツブツ言いながら知佳はビデオの再生スイッチを押した。
再生されたビデオにはテレビ画面いっぱいに400mトラックの陸上競技場が映されている。
私達は普段はしない正座をして胸を高鳴らせていた。
そんな初めての感覚に
戸惑いつつもジッと
テレビ画面を見つめた。
「今スタートしようと
しているこの人とその
右隣りの人がウッチェロの二人だよ」
知佳はそう丁寧に説明した。
「どーしてウッチェロ
って言うの?」
前から思っていた私は
たまらず聞いてみた。