好きだなんて言えない。
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「ぬぁーっ、重い…っ」
放課後、
たまたま職員室を横切った陽菜は担任に頼まれて資料室に資料を運ばされていた。
「これくらい自分で持ってけばいーのにぃ…」
ブツブツ文句を言っていると
誰かにぶつかった。
「わっ!ごめんなさい!」
すると、ぶつかった衝動で
手に持っていた何枚もの資料があちらこちらに飛ぶ。
「うわぁあ!」
しゃがみこみ急いで散らばった資料を拾い集めると
「…なにしてんの」
ふと頭上から声がして顔をあげる。
するとそこにはいつもの男子メンバーの一人
神月日向がいた。
「あっ…、
えと、先生に頼まれてちゃって…。」
「ふーん
頑張れ。
んじゃー」
興味なさそうに言い残し
軽く手を挙げて玄関へ歩いていく日向。
「え、ちょ…っ、
手伝ってくれたっていーじゃんんん!!!」
日向の背中に叫ぶも
いつのまにか姿も見えなくなっていた。
「…薄情者…」