好きだなんて言えない。


「……何が…?」

「ノロケ、とか聞かされなかった?」

「え…、
あ、うん…だい、じょうぶ…」


話の内容がよく分からないまま返すと、
日向君は「そう」とだけいって手を動かし始める。



「………。」


ノロケ…って…。

それが何故“大丈夫”に…?





再び訪れた沈黙に
今度は私が口を開いた。



「日向君って…変わってるね……」


それに日向君は私に目線を向けると「そう?」と言った。


「うん……
なんか、何考えてるか…わかんないって、言うか…。


…いつも無表情だし…」



今だって
私を見ている彼の顔はポーカーフェース。



「……何考えてるか、ねぇ…」



< 22 / 32 >

この作品をシェア

pagetop