好きだなんて言えない。


「――え…っ」


顔を上げてその人物に焦点を合わせると、そこには日向が立っていた。

「お、おはよ…日向くん」

「―あぁ、おはよ…って…」

その時日向君が一瞬顔をしかめた。
と思ったら腕をぐいっと引っ張られる。

「ちょっとこっち」

「―っえ!?ちょっ、何処いく…」


困惑する私の手を掴んだまま、日向君は廊下を早歩きで進んでいき、教室から段々離れていく。





なに!?




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