新世界創造記 ~勇敢なる姫の使命
レリンとディースは城の廊下を走っていた。
「もう!!どうしてみんなしてあたしを縛りつけようとするの?」
レリンは顔を膨らませつつ言う。
「それが、姫というものでしょう。」
「ディースまであたしを他の国の姫のようにさせたいの!?」
「いえ、姫様は姫様のままでいいと思いますよ?」
フグ状態のレリンを見てディースは苦笑しながら言った。
「ディース!違うでしょう?二人の時はあたしの事呼び捨てにして。」
「あぁ、そういえば昨日言ってましたね。」
「敬語もダメーーーーーー!!」
「……どうしてですか??」
ディースが首を傾げながら問うと、レリンは俯きながら答える。
「ディースまであたしの事、姫だなんて呼んで、しかも敬語だなんて、なんだか姫の名に捕らわれている気がするんだもん…小さい時は普通に名前で呼んでくれたじゃない。忘れたの?」
レリンが涙声なのに気づき、顔を覗き込む。
うるんだ瞳に見つめられ、ディースは目をそらさずにはいられなかった。
もちろん覚えている。忘れるわけがない。あの頃はただ姫様と遊んでいればよかった。
しかし、大きくなるにつれ自分の立場や使命が重くのしかかってきた。
ー自分は姫様を守る立場にあり、自分の命にかえてでもこの人を守り抜くのが使命だー
いつからか、この大切な守るべき人を名前ではなく、「姫様」と呼ぶようになっていた……名前で呼ぶには尊すぎる存在だった。
しょせんは主人と下僕の関係なのだと思っていた。
「もう!!どうしてみんなしてあたしを縛りつけようとするの?」
レリンは顔を膨らませつつ言う。
「それが、姫というものでしょう。」
「ディースまであたしを他の国の姫のようにさせたいの!?」
「いえ、姫様は姫様のままでいいと思いますよ?」
フグ状態のレリンを見てディースは苦笑しながら言った。
「ディース!違うでしょう?二人の時はあたしの事呼び捨てにして。」
「あぁ、そういえば昨日言ってましたね。」
「敬語もダメーーーーーー!!」
「……どうしてですか??」
ディースが首を傾げながら問うと、レリンは俯きながら答える。
「ディースまであたしの事、姫だなんて呼んで、しかも敬語だなんて、なんだか姫の名に捕らわれている気がするんだもん…小さい時は普通に名前で呼んでくれたじゃない。忘れたの?」
レリンが涙声なのに気づき、顔を覗き込む。
うるんだ瞳に見つめられ、ディースは目をそらさずにはいられなかった。
もちろん覚えている。忘れるわけがない。あの頃はただ姫様と遊んでいればよかった。
しかし、大きくなるにつれ自分の立場や使命が重くのしかかってきた。
ー自分は姫様を守る立場にあり、自分の命にかえてでもこの人を守り抜くのが使命だー
いつからか、この大切な守るべき人を名前ではなく、「姫様」と呼ぶようになっていた……名前で呼ぶには尊すぎる存在だった。
しょせんは主人と下僕の関係なのだと思っていた。