Paradise Jack
がくがくと震える身体を、ナナがギュッと抱きしめ、その優しい仕草とは裏腹になんの遠慮をすることなくわたしを何度も何度も攻め立てる。
発情期の猫みたいな甲高い声が自然と自分の口から漏れるのに、耳を塞ぎたくなった。
ナナが、わたしから離れ、そっとシーツを剥ぐ。
一糸纏わぬ裸体が晒されても、もはや"羞恥"なんてものはそこに存在していなかった。
女性らしい凹凸のないわたしの身体の何がそんなに面白いのか、全身を丁寧になぞって、ひとつひとつキスマークをつけてゆく。既に、気怠さで抵抗することの出来ないわたしは、視線だけでそれを追う。
「…こないだ、ひとりで留守番してるとき、電話掛かって来たよ」
「珍しい。誰から」
親しい友人はいない。
凛香さんは、わたしが15歳のとき、酔っ払って歩道橋から転がり落ちて呆気なく死んでしまっているし(…あまりに彼女らしい最後で、そのときはなかなか涙が落ちなかった)
父親といえば、現在は仕事の関係でイタリアにいるけれど、電話嫌いなので恐らく違うだろう。