Paradise Jack
***
今日は、雲ひとつない蒼空だった。
その所為もあってか、町外れにある小さな図書館に人は疎らで、日当たりが良くて人気の窓際の席も空いていた。
その席にショールを置いて、室内をゆっくりと歩く。
最新本から古書まで、この図書館には多種多様な蔵書が揃っている。
物色しながら、ふと雑誌のコーナーで足を止める。
美しい夕暮れの表紙が目にとまり、それを手に取った。
「"Beautiful Worlds" ?」
美しき世界と名乗るその雑誌を捲る。
どうやら、カメラの専門誌らしい。最新一眼レフカメラの紹介、プロの写真家達のインタビューと続き、捲った先には以前この雑誌で行われたらしいフォトコンテストの結果が特集されていた。