Paradise Jack
本と資料に埋もれるようにして、ソファで居眠りをしている"彼女"を発見した。
―またテレビつけっぱなしで寝て…。
ぶつりと、電源を切って、彼女の身体を揺らす。
個性のないシャツにダメージジーンズ、伸ばしっぱなしの栗毛、そして黒縁のメガネが鼻からずり落ちている。
おしゃれの欠片も見られない。
「シュウ、起きて。また窓開けたまま寝て!風邪を引いても知らないですよ」
むう、と小さく唸り声を上げてまた寝に入ろうとするので、彼女が抱き込むタオルケットを剥ぎ取る。
芋虫のように身体を丸める姿に、溜息をついた。