Paradise Jack


シュウは、俺に"きっかけ"をくれた。
同時にチャンスも。

シュウのお陰で、俺は何に縛られることなく海を渡れる。


あたたかい場所からの旅立ちは不安で、それでも楽しみだと思える自分はあの雨の日から少しは成長出来たのかな。


もう、シュウと暮らしたあの部屋を逃げ場所だと思いたくない。

いつか小林秀宇と肩を並べられるくらいの人間に俺がなれたら、会いにいくよ。
そうしたらまた、あの窓から手を振って。

シュウは、きっと夢中で原稿に向かっているはずだから、眠そうな目をこすりながら笑うんだろうな。


…と、なんだか長々とごめん。

ええと、結局、何がいいたいのかと言うと。

うん。


ありがとう、シュウ。

何度言っても足りないけど、念のためにもう一度言っておく。ほんとうに、ありがとね。
自分の才能の価値を信じて。シュウの書く小説、俺は大好きだよ。

春の夜はまだ冷えるから、お腹出して寝ないようにね。


貴女の幸運をいつも祈っています。




暮野皐月


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