Paradise Jack


「これ、…」


写真と、彼女のデスクを見比べる。
どうみても、この部屋で撮られたものに間違いないようだ。

撮影者は恐らく、このエアメールを送った"クレノサツキ"なのだろう。


そのときだった。


―ドサ…、ゴツン。


真後ろから聞こえた鈍い音にぎくりと身体を強張らせて、恐る恐る振り返る。


「おいおい・・・」


どうしたらそうなるのか、そこにはベッドから転がり落ちて床に伏せっているシュウの姿が。
そっと手紙と写真を元の位置に戻して、静かに彼女の元へと歩み寄る。

思いきり服がめくり上がり、色気の欠片もない下着が丸見えになっているのに脱力した。

そっと乱れを直し、眉間に皺を寄せるシュウの顔をのぞき込めば、アルコールのせいか随分と赤みを帯びている。
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