Paradise Jack
「冷た、」
「とりあえずそれ額にのっけとけ」
「なんか適当だなあ」
シュウが、寝ぼけたように小さく笑う。
「明日、病院行けよ」
「嫌だ。病院嫌いだもん」
まるで子供みたいなことを言って、俺に背を向けた。
それに溜息をついて、一服しようと腰掛けていたベッドから立ち上がろうとすれば、ぐいと思い切りシャツの裾を引かれた。
驚いて振り返れば、そこにはいつになく真剣な目をするシュウがいた。
「行かないでよ」
それだけをはっきりと呟いた。
俺が返答する間もなく、シュウはまるで意識を失うように深い眠りへと落ちていった。